IoT(Internet of Things) と言えば、私たちが使用するすべてのインテリ ジェント・デバイスが繋がり、生活をより効率的にするために、互いに膨 大なデータを共有することと言っても過言ではありません。スマートホー ム、インフォテインメント、ウェアラブル技術の利用が需要を喚起している だけでなく、スマートシティやスマートファクトリーなどの産業、軍事、政府 での活用もコネクティビティの様相を変えています。
上記の視点からIoTを検討した場合、デバイスは、わずかなセンサーとたった数百万ゲートのアクチュエーターからなる非常 に小規模なデザインから、数百のセンサーと数十億ゲートのきわめて複雑な機械にまで至ります。サイズや複雑さにかかわ らず、これらのスマートシステムには、とりわけ商用IPを統合する場合、膨大なソフトウェアと実環境テストが必要になります。 先に述べたIoT事例はすべて、インターオペラブルな接続、高度な制御、テスト効率が要求され、設計チームは開発戦略の再 考を強いられています。さらに、コンシューマ向けIoTデバイス市場が求める市場投入時間短縮というプレッシャーが加わり、 エンジニアがこれらの問題に対処するために適切なソリューションを必要としていることが明らかになっています。
FPGAベース・プロトタイピングは、とりわけIoTデバイスの複雑さが求める設計、検証要求を満たすことに非常に適しています。 プロトタイピング技術は、FPGAベース・プロトタイプが小規模のマルチミリオンゲート・デザインだけでなく、最大15億ゲートの設 計にも対応できるような拡張性を実現するパーティショニングやマルチFPGAデバッグの分野で革新しています。FPGAベース・ プロトタイピングにより、設計者はシステムの開発、テストを行い、ソフトウェア開発者はシリコンが利用可能になるよりはるか前 に、完全に機能するハードウェア・プラットフォームに 早期にアクセスできるようになります。ハードウェア・ プロトタイプは、実用的なソフトウェアの開発、テスト に十分な早期に採用できる唯一のソリューションで す。ソフトウェア・モデルには、ハードウェア・プラット フォームが精度と信頼性を実現できるスピードと能力 がありません。
最小の設計ですら、きわめて複雑なソフトウェア問題 に取り組まなければならず、厳密なテストとなれば膨 大な量に取り組む必要があります。このタイプのテス トは、どのようなデザインでも、重要な市場投入時間 を逸してしまう危険性があります。論文「Emulation vs. Prototyping – Performance Curve Crossover」 では、FPGAプロトタイピングのスピードとテストの利 点について掘り下げた議論を行っています。
プロトタイピングは設定に数週間かかることがありますが、初期設定後に多数のテストを短時間で実行でき、他のソリューショ ンよりも遥かに有用です。FPGAプロトタイピングは、そこそこのスピード(わずか5メガヘルツ)と4週間の設定で、初期設定から 数日後には他のソリューションよりもはるかに多くのテストを完了させることができます。
FPGAベース・プロトタイピングは、FPGAにマッピングできる、完全にRTLでレンダリングされたデザインに適しています。しかし、多 くのIoT向けデザインは、完全にはFPGAにマッピングされず、一部はC++やSystemCのような記述でビヘイビア・モデルとしてのみ 利用可能になっています。このようなケースでは、トランザクション・レベルのインターフェイスが、ビヘイビア・モデルと実際のハード ウェア間の抽象度を橋渡しするという重要な役割を果たしています。これらのトランザクタは、ホスト上で動作するソフトウェアと、通 常メモリ、プロセッサ、高速インターフェイスを備えたFPGAベース・プロトタイピング・プラットフォーム間の通信に使用されます。
S2C独自の特許出願中であるProdigy ProtoBridge™ Systemは、 まさにこの種の高速通信を可能にするソリューションです。Proto- Bridgeは、ソフトウェア・プログラムとAXI準拠ハードウェア間のトラ ンザクタ・インターフェイスを提供します。このProtoBridgeには、ホ ストコンピューターに接続するAXI-PCIe間のブリッジと、このブリッ ジを介してデザインと通信するC-APIという 2つの重要な部分があ ります。ソフトウェア-AXI間トランザクタは、ARMベースのシステム を構築する設計者に対してより優れた柔軟性を提供します。また、 最大500メガバイト/秒の転送速度をサポートするPCIeインターフェ イスと組み合わせることで、データ集約型アプリケーションにとって 理想的な開発プラットフォームを提供します。
このようなシステムにより、設計者は、アルゴリズムの検証、IP設計、シミュレーションの高速化、およびコーナーケース・テストと いったデザイン・プロジェクトにおいて、はるかに早期にFPGAベース・プロトタイプの利点を最大限利用することができます。トラン ザクタ・インターフェイスと組み合わせたプロトタイプは、デザインフローを通じて様々な興味深いアプリケーションを実現します。
IoTデザイン分野においてProdigy ProtoBridge Systemが果たすこれら重要な役割に加え、さらに、S2Cの包括的なProdigy Complete Prototyping Platformは、IoTデザインフローのあらゆる側面に対応したソリューションを提供します。S2Cは、お客様 のデザイン・サイズに適した多岐にわたる包括的なプロトタイピング・モジュールはもちろん、大規模なテスト済プロトタイピングIP ライブラリ、プロトタイピング・プロセスを高速化、簡易化するリファレンス・デザインフローを提供しています。Prodigy Player Pro Softwareは、プロトタイプの構成に使用することができ、リモートでシステムのモニタリングや制御を行います。Player Proに搭載 された編集機能は高度なパーティショニングが可能で、まもなくリリースされるProdigy Multi-Debug Moduleは、煩わしくエラーの 発生しやすい手作業による各FPGAのデバッグを軽減します。S2CのProdigy FPGAベース・プロトタイピング・ソリューションは、 優れた次世代IoTデザインを実現する、市場でもっとも包括的なソリューションです。
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